2009年2月18日から20日までバンコクにて第一回CBRアジア太平洋会議が開催された。58カ国から700人が参加した。この地域のCBR(地域に根ざしたリハビリテーション)の実践者、障害者団体代表、NGOなどCBRにかかわる人たちがはじめて一堂に会する機会となった。会議ではCBRはコミュニティでインクルーシブな開発をすすめる戦略であることが明らかにされた。発表内容はWHOがILO、UNICEFとともに策定中のCBRガイドラインについて、障害者権利条約とCBRとの関連、証拠に基づく調査、各国での事例など多岐にわたった。最終日には、CBRに関するアジア太平洋地域におけるバンコクコミットメントが採択され、さらに成果としてCBRアジア太平洋ネットワークが設立された。
2009年12月14日から16日までバンコクで開かれ、18カ国から参加して、規約と行動計画が採択された。名称はCBR AP Network、目的はインクルーシブ開発とインクルーシブな社会となった。ネットワークには24カ国が参加し、事務局はAPCD(アジア太平洋障害者センター)財団に置かれている。今後の活動として、2010年11月15日ー17日にCBRガイドラインに関する会議がマレーシアで、2011年に第二回CBRアジア太平洋会議がフィリピンで、2012年にはインドでグローバルCBR会議が開催される。また、CBRアメリカ・ネットワーク、CBRアフリカ・ネットワークはすでに立ち上がっている。
CBR アジア太平洋ネットワークの設立を受けて、日本ではこれまで途上国のCBRを研究してきたJANNET(障害分野NGO連絡会)を中心により広範囲なネットワークを構築することとした。2009年10月11日にはJANNETはCBR APネットワークの国内ネットワークに関する意見交換会を開催し、今後の対応を検討するワーキンググループを設置した。ワーキンググループは11月29日および2010年1月9日に会合を開き国内での活動や広報をどうすすめるかについて話し合った。国内ネットワークの名称は、CBRへのこれまでの誤解を解き、インクルーシブ開発の推進を明確にするため、ワーキンググループではCBID Japan Networkとした。今後はMLなどによって情報提供・交換を行う。 MLに参加したい人を募集中。
これまでの経緯や主な動きについては、JANNETのホームページ内のCBRネットワークにて公開している。
■ URL:http://www.normanet.ne.jp/~jannet/cbr_net/index.html