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CBRアジア太平洋ネットワーク会議報告
2009年12月14日-16日、バンコク
2009.12.22 上野悦子
CBR アジア太平洋(AP)ネットワーク会議は、WHOおよびネットワーク事務局(APCD:アジア太平洋障害者センター)により、APCDにて開催された。
- 参加者:
- APネットワーク18カ国から1名づつの代表、10名のオブザーバー、およびAPCDから12名の計40名。(現在ネットワークに登録しているのは24カ国)
内訳は、男女比はちょうど半々。障害のある人は5人。
- 会議の主な目的:
- チームビルディングをベースとして、ネットワークの規約、アクションプランを決めることおよび役員選出。タイからファシリテーター(元政府の役人)が雇われた。
事前に規約案へのコメントを送ったのは日本だけだったことから、議論の材料として日本のコメントがスクリーンに映し出された。
■第一日目
- 歓迎のあいさつは:
- DPI アジア太平洋地域コーディネーターのサオワラック氏
- 報告:
- WHOのチャパル氏から、インクルーシブ開発であるCBRについて。
チャパル氏によると、CBRガイドラインの完成は、2010年10月の予定。
- 午前中:
- 午前中は国ごとの国内ネットワークの状況報告
10カ国以上にCBRの国内ネットワークがあることがわかった。
- 午後:
- 規約案へのコメントと議論が午後6時まで行われた。
夕食後有志5人による議論が10時半まで続いた。
■第二日目
- 午前中:
- 規約案改訂版の議論を全体会で行った。
進行はマレーシアのヤスミン。昼前に採択された。
- 規約の特徴
- ビジョン:「インクルーシブ開発およびインクルーシブな社会」
- 組織:
- Network Congress:4年に1回開催する。会員でなくても誰でも参加できる。
- Regional Council(意思決定機関):
アジア太平洋地域(アラブを含む)の国連が認める国(パレスチナを含む)と各国(地域を含む)国内団体からコーディネター(1名づつ)で構成され、
少なくとも2年に1回開催する。代表が来られないときのためにDeputyを決めておく。任期は4年で、第一回目は2015年までとする。
(2011年に第二回目のコングレスがある)
- Executive Committee(役員会):
- Regional Councilから、役員を選出しRegional Councilに対して企画案作成、実施管理などを行う。
- 会費:草案では設定されてなかったが、オーナーシップをもつために小額を設定した。
金額は年最低10ドル。支払い方法は、集まったときに払うこととした。
- 2日目 午後:アクションプランについての議論。
- 規約の目的(Article 4)に書かれてある8つの項目に沿って3グループに分かれて議論した。
- グループ1:
- 項目の1(よい事例のドキュメント化、共有)、5、証拠に基づく調査、8.意識向上 (上野はここに参加)
- グループ2:
- 2,3,6.(キャパシティ・ビルディング、ネットワーキングなど)
- グループ3:
- 障害者権利条約、MDGs、インクルーシブ開発
その後の全体会での議論が行われ、翌日の採択までのまとめの作業を夜10時まで
行った。アクションプランのフォーマットが使われた。
■第三日目
- 午前中:
- アクションプランの採択。
- 午後:
- 役員選出。
- 選出の方法として、はじめに役員にふさわしいと思う7人が相互に推薦され、それらの人がどの役職にふさわしいかについては選挙で選ばれた。
その結果次の9名が決まった。任期は2015年までの7年間。
- 会長:
- ヌール・ヤスミン、マレーシアリハビリテーション協会(MCR)
- 副会長:
- エイミー・ボリナス、フィリピン(元CBMパートナーNGOの代表)
上野悦子、日本
グーラム・ナビ・ニザマニ、ASHA(DPO)、パキスタン
- セクレタリー:
- ポール・ギブス、ニュージーランド(タイ在住)
- 財務:
- カニタ・カモルワット、タイ障害者エンパワメントオフィス
- その他の役員およびAPCD役員から:
- 二ノ宮アキイエ氏、APCD所長
スナマン・スカンプト、インドネシアCBR 開発研修センター
バットゥラム・トゥメンバイヤー、モンゴルCBR
■3日目の終了後、役員会の初会合が開かれた。
議題は次のとおり。
- アクションプラン
- 2011年、フィリピンでの第二回目のCongressについて
- ニュースレターなどによる情報提供
- ウエブサイト
- その他
決定事項は次のとおり。
1.アクションプラン
- 1-1 APネットワークのロゴコンテスト:2010年6月に実施。
- 1-2 CBRの事例集:各国から2例以上出してもらい、選定して出版する。
出版方法は、マヤ・トーマスが編集をしているアジア太平洋障害リハビリテーションジャーナルのうち1号分を事例集にあてられるかどうかマヤ・トーマスに協力依頼する。
- 1-3 中国や他の国への参加の呼びかけ
- 1-4 CBRガイドラインにもとづく、インクルーシブ開発のワークショップの開催
2010年11月15-17ごろにマレーシアでの開催を検討する。
- 1-5 調査:オーストラリアの会員のピムは調査を進めているので、APネットワーク内に統合するのかどうか検討する。
2.2011年の第二回CBR アジア太平洋コングレス
フィリピンから進捗報告があった。時期は10月か11月を検討している。
NCDA(半官半民の機関)が実際の開催を行う。2010年後半までに案内を作成する。
3.ニュースレター
1年に4回発行されているAPCDニュースの一部にCBR AP ネットワークコーナーを設けることをAPCDに検討してもらう。
4.ウエブサイト
APCDのサイト内にCBR APネットワークのサイトをどの程度設定できるのか、掲示板機能を持てるかどうかを含めてAPCDで検討してもらう。
以上。
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