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CBR会議参加者からのアンケート結果
JANNET広報・啓発委員会
<はじめに>
第3回アジア太平洋CBR会議(2015年9月1日〜3日、新宿京王プラザホテルにて開催)は、46の国と地域から549名が参加し、多くの成果を残して終了した(第145号のメールマガジンを参照)。今回のアンケート調査の目的は、会議日程3日目の時点で、会議全体の内容や運営について、参加者、特に全体の7割以上を占めた海外からの参加者の意見を伺い、今後の活動に活かすことである。
<方法>
アンケートは無記名とし、A4用紙1枚に収まる程度のものを英語で作成した。6つの大項目のうち、4つ(そのうち1つは6つの小項目で、もう1つは2つの小項目で構成)は4つの選択肢から、1つは3つの選択肢から選択してもらい、残りの1つは記述式で回答してもらうこととした。各項目の内容は、質問の順番に、「1. 今回の会議は期待以上だったか期待が外れたか」「2. 今回の会議を他の人に勧めるか」「3. (小項目として)会議の内容、会議の構成、演者や司会者、雰囲気と交流活動、登録受付の過程と参加者のマネジメント、配布された会議資料のそれぞれについてどのくらい満足したかあるいは不満足だったか」「4. (小項目として)『会議はよく組織されていた』『スタッフは助けになり親切だった』ということに対して、それぞれどのくらい同意するかあるいは反対するか」「5. あなたが出席したことのある他の会議で同様のものに較べて、今回の会議をどう評価するか」「6. 短評(自由記述)」とした。
会議日程中の調査日時は、3日目の午前とした。運営ボランティアがロビーなどで参加者にアンケートへの協力を呼びかけ、同意していただけた参加者から自筆もしくは聞き書きにより回答を得た。一部、会議終了後、帰国前に依頼できた参加者数名からも回答を得た。
回答結果は、選択式の場合、アンケートに対する全回答者数に対する割合(%)を少数第1位四捨五入して回答の実数とともに記述した。自由記述の内容は、集計の順番に箇条書きで示した。
<結果>
3日目の午前に運営ボランティア(赤十字語学奉仕団の方と難民を助ける会の方々)が主にインタビューにより参加者29名から回答を得た。その後、準備委員会関係者を通して、帰国前の参加者2名から得た回答を追加し、合計31名分の回答を分析した。
1. 今回の会議は期待以上だったか期待が外れたか(4つの選択肢から選択)
9名(29%)が「大幅に越えていた」、21名(68%)が「超えていた」と回答した。これらを合わせると30名(97%)が期待以上だったことになる。1名(3%)が「期待はずれだった」と回答した。
2. 今回の会議を他の人に勧めるか(3つの選択肢から選択)
28名(90%)が「はい」と回答した。2名(6%)が「いいえ」、1名(3%)が「分からない」と回答した。
3. それぞれについてどのくらい満足したかあるいは不満足だったか(4つの選択肢から選択)
1)会議の内容
11名(35%)が「非常に満足した」、20名(65%)が「満足した」と回答し、回答者全員が「非常に満足した」か「満足した」と回答したことになる。
2)会議の構成
12名(39%)が「非常に満足した」、18名(58%)が「満足した」と回答した。これらを合わせると30名(97%)が「非常に満足した」か「満足した」と回答したことになる。1名(3%)が「不満足だった」と回答した。「非常に不満足だった」という回答はなかった。
3)演者や司会者
7名(23%)が「非常に満足した」、24名(77%)が「満足した」と回答し、回答者全員が「非常に満足した」か「満足した」と回答したことになる。
4)雰囲気と交流活動
17名(55%)が「非常に満足した」、12名(39%)が「満足した」。これらを合わせると29名(94%)が「非常に満足した」か「満足した」と回答したことになる。2名(6%)が無回答だった。
5)登録受付の過程と参加者のマネジメント
18名(58%)が「非常に満足した」、11名(35%)が「満足した」と回答した。これらを合わせると30名(97%)が「非常に満足した」か「満足した」と回答したことになる。1名(3%)が「不満足だった」と回答した。「非常に不満足だった」という回答はなかった。
6)配布された会議資料
11名(35%)が「非常に満足した」、15名(48%)が「満足した」と回答した。これらを合わせると26名(84%)が「非常に満足した」か「満足した」と回答したことになる。4名(13%)が「不満足だった」、1名(3%)が「とても不満足だった」と回答した。これらを合わせると5名(16%)が「不満足だった」か「とても不満足だった」と回答したことになる。
4. 以下のことに対して、それぞれどのくらい同意するかあるいは反対するか(4つの選択肢から選択)
1)「会議はよく組織されていた」
17名(55%)が「強く同意する」、12名(39%)が「同意する」と回答した。これらを合わせると29名(94%)が「強く同意する」か「同意する」と回答したことになる。2名(6%)が「反対する」と回答した。「強く反対する」という回答はなかった。
2)「スタッフは助けになり親切だった」
20名(65%)が「強く同意する」、11名(35%)が「同意する」と回答し、回答者全員が「強く同意する」か「同意する」と回答したことになる。
5. あなたが出席したことのある他の会議で同様のものに較べて、今回の会議をどう評価するか(4つの選択肢から選択)
10名(32%)が「すばらしい」と回答し、17名(55%)が「(とても)よい」と回答した。これらを合わせると27名(87%)が「すばらしい」か「(とても)よい」と回答したことになる。2名(6%)が「劣る」と回答した。「とても劣る」という回答はなかった。2名(6%)が無回答だった。
6. 短評(自由記述)
24件の記述回答を以下のように得た。
- Thank you so much the organized committee and all staff! Suggestions: We could perhaps organize sub-regional network for East-Asia within the CBR-AP Network.
- 資料がウェブサイトからダウンロードできないので、ダウンロードできるようにした方が良い。
- 空港からタクシーで来たが、高かった。交通に関する情報が不足していた。メールで送ってほしい。
- セッションの中に障害者がいないセッションがあった。少なくとも一人はいるべき。ろう者のスピーカーがいなかった。
- There has no planned about team management. Roundup table dissure other ideas share with others for get feedback everyone.
- Excellently organized & learning experience has been wonderful. CBR congress should promote exchange visits to different CBR programs among the members countries.
- Must share successful models prior to congress.
- 進行の仕方、アレンジメントは良かった。お昼ごはんだけは問題だった。(味付けが合わない。ただし、個人的なことだから仕方が無い)
- 空港もホテルも案内が十分でなく、不親切さを感じた。
- Very excellent congress. I will attend next congress.
- 食事が良かった。
- 幅広いレベル(学術・プロフェッショナル〜草の根)の交流があり、とても良い機会だったかと思う。反面、幅が広かった分、来日しているスタッフ含め、期待していた内容と乖離があったと思う。
- Need to collaborate with stakeholders. Top people also have to closely collaborate with minority group and PWD.例えば、WHOが障害者の保健問題に取り組むとき、このような大きなcongressで障害者と直接話をすることがとても大事。
- Develop in the community is very important in the term of "CBR". But in the term of "Inclusive development", including stakeholders is very important.
- This congress will succeed in the future. I hope this will go further.
- Fine experience and very excited for me.
- Very useful. Should be continued. Updated to whole community.
- Less inputs, more workshop. Less time for organization profit, more time for outcome, strategy, lesson, question and answer.
- Really well organized.
- Speaker speak very quickly. More time for speaker to explain.
- We should invite more government officers.
- The inclusive development should be strongly considered by each central government as well as more implementation on it. Mostly PWDs should be included in all inclusive environment. Therefore, the CBR is a good strategy to enhance the PWDs participation in community level.
- Because of some reasons, we cannot access to the 3rd AP ABR Network website from Mainland China. And it took a lot efforts for us to register and I think that would be one reason why so limited Chinese participants (compare to biggest population). To follow up this congress, I would like to request your kind support to send us emails on very reports / results / outcomes about this congress. Thank you for your generous help!
- Presentation booklet : include abstract of presentation. Online feedback for presentation and group work.
<考察とまとめ>
今回のアンケート調査は、参加者551名中の31名(5.6%)と、少ないサンプルの調査であり、その結果は参加者全体の意見を適切に反映しているものではなかった。また、質問項目の中には、分かりにくいものもあったかもしれない。その限界を踏まえた上でも、特に参加者全体の7割以上を占めた海外からの参加者の率直な意見と感想を会議開催日程の最中に伺ったことは、今後のJANNETの関わる活動の役に立つと考える。また、第4回アジア太平洋CBR会議の準備の参考になるかもしれない。
最後に、アンケートの回答にご協力いただいた参加者の皆さんと、運営ボランティアの業務の時間を割いてインタビューをしていただいたボランティアの皆さんに感謝申し上げます。
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