JANNET 障害分野NGO連絡会

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第1回「CBRと開発」研究会
〜バングラデシュにおける開発の経験から障害を考える〜 参加報告

埼玉県立大学理学療法学科4年
本郷 直子

2009年7月11日(土)、JANNET主催の2009年度「CBRと開発」研究会・第1回「バングラデシュにおける開発の経験から障害を考える」が開催されました。日本のNGOの中では、いち早くコミュニティをベースとしたアプローチに取り組んでこられたシャプラニールが障害者を含めた支援を展開されているということで、強い関心を持って参加させていただきました。当日はまずシャプラニールの白幡利雄氏より、シャプラニールのこれまでの活動内容とその変遷のご説明と、シャプラニールが支援する現地NGOによる障害者への取り組みのご紹介があり、その後シャプラニール事務局長の筒井哲朗氏も交えて住民参加についてのディスカッションが行われました。会場からはシャプラニールの活動内容についての質問や、住民参加の考え方などについて活発な発言があり、参加者の方々の真剣さ、熱心さが伺えました。

途上国におけるCBRを考えるとき、そこには必ず貧困の問題がついて回ります。コミュニティをベースとしたアプローチを目指すのであれば、前提としてそのコミュニティの成り立ち、文化、経済状況、住民組織や意思決定システムなどの社会的背景を知らなければ取り組めません。一方で、コミュニティ開発に取り組む場合も、そこに当然存在する可能性のある「障害をもった住民の方々」について知ることは重要であると思います。私自身、コミュニティ開発の経験からCBRに関心を持った経緯があるため、シャプラニールが「取り残された人々への支援の一環」として障害者への取り組みを始めた経緯はとても自然なことと感じました。今回のご講演の中でも触れられていましたが、支援をしようと現地に赴いた際に「無いもの」を考えるのではなく、そこに「在るもの」を見つけて活動に繋げていくという考え方は、すべての基本であると思います。そしてこれは、障害モデルを考える上で現在主流となっているICF(国際生活機能分類)のコンセプトとも根底を同じくしているのではないかと、私は個人的に「CBRと開発」の共通点を見出しています。

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