JANNET 障害分野NGO連絡会

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会員/関連団体からの報告・発信

■ベトナム政府・障害者基本法起草

世界ろう連盟アジア太平洋地域事務局長
宮本一郎

4月12日〜16日に、ベトナム・ハノイ市を訪れて、ベトナム障害者基本法起草案チームで講演を行うとともに、ろう教育に関するワークショップに参加しました。

出発の2週間ほど前に第4案を入手しましたが、講演当日に第5案ができるかもしれないと聞いて、数日間だけの滞在で対応できるかと不安を抱えたままでした。

ハノイ到着後、ハノイろう協会の理事らとお会いして、第4案に対する意見と要望を確認し、条文案を修正して、講演とワークショップに臨みました。

第4案は、米国の専門家らが起草して、ベトナム政府法案起草チームへ提案し、検討を重ねて修正してきたものですが、障害者の社会参加・権利を保障し、福祉向上、そして、社会的位置の向上が期待されると解釈できるものではなく、聴覚障害者、そして、障害者全ての「完全参加と平等」の実現への方向とはかけ離れたものでした。

講演では、法案起草チームの15名ほどに来ていただき、聴覚障害者の「完全参加と平等」が妨げられている現状と事例を述べて、聴覚障害者の「完全参加と平等」を実現させるために、国連「障害者権利条約」に沿った法的な整備が重要であると強調して、必要な条文案を提案するとともにコメントなどを提言しました。

ろう教育に関するワークショップでは、教育省をはじめ、各地の自治体、教育現場の関係者らが参加し、障害者当事者と合わせて、100名以上集まったようです。

手話は、ろう児にとって一番確実なコミュニケーションであり、且つ、能力育成と人格形成の段階では不可欠であると述べた上で、教育現場へ積極的に手話を導入し、研究をすべきと述べました。聴覚口話法については、それのみでは多くのろう児がベトナム政府・自治体に貢献できる国民・市民の一人となれるとは言い難いと意見を提言しました。

ベトナム政府法案起草チームは、今後も、専門家や障害者当事者の意見などを聞いた上、最終的法案を仕上げて、今年9月に国会へ提出する予定とのことです。

あらゆる障害者の社会参加と自立を促せられる法律となることを祈っています。

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