JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第268号 2月号 2026年2月27日発行 ―目 次―  トピックス 〜第30回「リハ協カフェ」登壇報告〜 1. アビリンピックって知っていますか? 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED) 障害者雇用開発推進部長 藤井 剛 インフォメーション 1.国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 イベント情報 1.JANNET研究会「とりのこさないカフェ2026」 2026年3月27日(金) 2.第31回「リハ協カフェ」 2026年4月3日(金) トピックス 〜第30回「リハ協カフェ」登壇報告〜 1. アビリンピックって知っていますか? 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED) 障害者雇用開発推進部長 藤井 剛 ※去る2026年1月30日に開催した、(公財)日本障害者リハビリテーション協会主催『第30回「リハ協カフェ」』にてご登壇いただいた内容を、まとめていただきました。 アビリンピックは「アビリティ(能力)」と「オリンピック」を組み合わせた造語で、障害のある方々が日ごろ培った職業技能を競い合う大会です。技能向上の機会であると同時に、その優れた技を社会に示すことで障害者雇用を促進することを目的としています。リハ協カフェでは、この大会の歴史や仕組み、そして課題と今後の展望について紹介しました。 大会の始まりは1972年の「第1回障害者技能競技大会」で、当時の皇太子殿下(現在の上皇陛下)を名誉総裁に迎えて開催され、この時「アビリンピック」と命名されています。その後1979年のRI汎太平洋会議において、日本は国連が定めた「国際障害者年」を記念した国際大会を提案し、参加国から合意を得て、第1回国際アビリンピックが1981年に東京で開催されています。以来、コロンビア、オーストラリア、チェコ、インドなど世界各地で概ね4年ごとに国際大会が開催され、大会を安定的・継続的に実施するための組織である国際アビリンピック連合(IAF)には52か国・地域から77団体が加盟しています(2025年10月現在)。   アビリンピックは、地域に根差した地方大会、各都道府県の代表が集う全国大会、そして世界の頂点を目指す国際大会という3段階で構成されています。地方大会は毎年47都道府県で開催されており、全国大会への予選会という位置づけですが、県によっては初心者向けの基礎コースや地域の産業特性を活かした独自種目を実施するなど参加しやすくする工夫をしています。   地方大会を勝ち抜いた精鋭が集う全国大会では、ものづくり、IT、サービスなど25種目で競技が行われ、RPAやドローン操作など先端技術もデモとして紹介されています。昨年の第45回大会(愛知県)では20名が金賞を受賞しましたが、アビリンピックでは順位より技能水準が重視されるため、一定の水準に達しなければ1位でも銀賞以下となるということもあり得ます。   国際大会は毎回30前後の参加国・地域から約300人の障害のある選手が集まる「技能のワールドカップ」です。共通言語は英語のため、通訳を介したやりとりには時間がかかる上、課題も難易度が高くなっています。例えば洋裁種目ではデザイン性が問われ、クリーニング種目では洗剤の調合やごみの分別など高い応用力が試されます。次回の大会は来年5月でフィンランドの若者向け技能大会「タイタヤ2027」と同時に開催され、 “WE CAN. WE BELONG. NO LIMITS”(私達はできる、ここにいる、限界はない)がスローガンとなっています。   アビリンピックは半世紀の歴史を持つ一方で、依然として認知度が低いという課題があります。参加者側にも自信のなさや指導体制の不足といったハードルが存在します。しかし、参加者からは「キャリアアップにつながった」「継続して挑戦したい」という前向きな声も多く、今後は情報発信の強化や大会の魅力向上、職業教育との連携による未経験者の支援が求められます。今後も各地で地方大会が、12月には愛知県常滑市で全国大会が開催されます。ぜひ会場で障害のある方々の高い技能と挑戦する姿を体感してみてください。     ******************************************************************************** インフォメーション 1.国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html) 署名国・地域数164/ 締約国・地域数 193 (2026年2月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en イベント情報 1.JANNET研究会「とりのこさないカフェ2026」 2026年3月27日(金) 障害分野NGO連絡会(JANNET)は、障害のある人を「主体」としてとらえ、互いの声に耳を傾けながら、誰もが関わり合える社会をめざし活動してきました。 東京2025デフリンピックで得た学びを、一度きりの経験で終わらせず、次の世代や社会へどうつなげていくのか、スポーツを通じた共生社会のあり方など、本イベントでは、参加者とともにその可能性を考えます。 この度は、デフリンピックメダリストの方々にもご登壇いただき、実際に大会の舞台に立たれた、現地の熱気や今後の課題についてお話しいただきます。この貴重な機会に、ぜひご一緒ください。 関係各位への広報・拡散も大歓迎です。たくさんの皆様のご参加をお待ち申し上げております。 ◆日時:2026年3月27日(金)13:30〜14:45(セミナー)、15:00〜16:00(茶話会:対面のみ) ◆会場:・対面(戸山サンライズ2階中会議室(東京都新宿区戸山1-22-1))・オンライン(Zoom) ◆情報保障:ご希望に応じて要約筆記・手話通訳・テキストデータをご用意します。 ◆参加費:セミナーのみ無料、茶話会参加費500円(当日お預かり) ◆主催:障害分野NGO連絡会(JANNET)   【プログラム】*内容に変更がある場合がございます。ご了承ください。 13:30 開会挨拶  清水 直治(障害分野NGO連絡会(JANNET) 会長)       13:35-14:05 「最後のフロンティア〜ろう者スポーツの可能性〜」 大杉 豊 氏(筑波技術大学 教授)       14:05-14:35 東京デフリンピック2025出場選手からの報告(@15分×2名) 亀澤 理穂 選手(卓球女子団体 銀メダリスト) 山田 真樹 選手(陸上男子400m 金メダリスト) 14:35-14:45 質疑応答・意見交換(クロストーク)       14:45 セミナー閉会       15:00-16:00 茶話会(対面のみ、参加費500円) 【登壇者プロフィール】 ・大杉 豊 氏(筑波技術大学 教授) 1962年東京に生まれる。デフパペットシアターひとみなどでの舞台創作活動、名古屋での手話言語指導を経て1991年に米国留学。ロチェスター大学大学院言語学研究科で博士号を取得後、2000年に帰国。 2006年まで全日本ろうあ連盟本部事務所勤務。現在は筑波技術大学の教授として、きこえない学生に手話言語やろう者の生活文化などを指導する傍ら、手話言語や医療通訳に関する研究を続ける。また、2021年より国際ろう者スポーツ委員会副会長として、世界各地のろう者スポーツの発展にも取り組んでいる。 ・亀澤 理穂 選手(デフ卓球女子) デフ卓球日本代表選手。聴覚障害があり、音のない世界で育つ。 デフ卓球との出会いをきっかけに競技に打ち込み、デフリンピックには5大会連続出場。これまでに通算9個のメダルを獲得するなど、世界の舞台で活躍を続けている。競技生活の中で経験してきた困難や悔しさを力に変え、現在は競技活動に加え、講演やイベントを通してデフスポーツの魅力や、多様性を認め合う社会の大切さを発信。子どもから大人まで、誰もが自分らしく挑戦できる未来を目指している。 ・山田 真樹 選手(デフ陸上男子) 1997年、東京都生まれ。 高等部まで東京都立中央ろう学校に在学し、東京経済大学へ進学。大学卒業後はアスリート社員として株式会社渕上ファインズに入社し、その後ぴあ株式会社へ転職。 2017年、初出場となったサムスン2017デフリンピックでは、200mおよび4×100mリレーで金メダル、400mで銀メダルを獲得し、計3個のメダルを手にする。以降、デフ陸上界をリードする存在として活躍。 東京大会ではデフリンピックの公式ポスターに起用され、ムードメーカーとしてチームを牽引。競技面でも400m、4×400mリレーで金メダル、200mで銀メダルを獲得するなど、結果と存在感の両面で大会を支えた。 【お申込み方法】  以下のサイトまたはQRコードよりお申し込みください。 URL: https://forms.gle/WFu7EZss8x67BfPe6 または、お名前・ご所属・メールアドレス・ご連絡先TEL・情報保障など必要事項を明記の上、下記事務局のFAX、メール、またはTELにて、お申込みください。 ※15:00〜の「茶話会」に会場参加される方は、当日受付にて会費500円を申し受けます。 【お申し込み・お問い合わせ】 《JANNET事務局》〒162-0052東京都新宿区戸山1丁目22番1号 TEL:03-5273-0601  FAX:03-5273?1523  E-mail:kokusai@dinf.ne.jp 2.第31回「リハ協カフェ」 2026年4月3日(金) 日本障害者リハビリテーション協会の国際委員会では、国際協力分野において障害分野の課題に取り組んでいくため、情報発信を継続し、関係者への情報提供を行うべく、2020年8月よりリモートによる報告会「リハ協カフェ」を隔月で開催してまいりました。今回は第31回目の開催です。 第31回は、田丸 敬一朗氏(特定非営利活動法人難民を助ける会(AAR Japan)支援事業部 プログラムコーディネーター)より「NGOスタディプログラム アメリカ・ブラジル調査報告-交差性に関する現状と取り組みについて」について、また萩原 昌子氏(九州大学大学院 博士後期課程)より「聴覚障害者による音楽の伝え方と楽しみ方―カナダ・イギリスの視察を踏まえた報告」についてご報告いただきます。 関係者以外にも広くご参加を募ります。皆様のご参加をお待ちしております。   ◆日時:2026年4月3日(金)13:30〜15:15 ◆会場:リモート開催(Zoom) ※要約筆記が入ります。 ◆主催:公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 ◆共催:障害分野NGO連絡会(JANNET) ◆参加費:無料 ◆定員:100名   プログラム(敬称略)*プログラムの内容に変更がある場合がございます。ご了承ください。 13:30-13:35 開会挨拶 吉田 正則(日本障害者リハビリテーション協会 常務理事) 13:35-14:15 報告1 「NGOスタディプログラム アメリカ・ブラジル調査報告―交差性に関する現状と取り組みについて」 発表者:田丸 敬一朗 氏(AAR Japan支援事業部 プログラムコーディネーター) 14:15-14:25 質疑応答 14:25-15:05 報告2 「聴覚障害者による音楽の伝え方と楽しみ方―カナダ・イギリスの視察を踏まえた報告」 発表者:萩原 昌子氏(九州大学大学院 博士後期課程) 15:05-15:15 質疑応答 15:15    閉会 【発表者プロフィール】 ・田丸 敬一朗 氏 (特定非営利活動法人難民を助ける会(AAR Japan) 支援事業部 プログラムコーディネーター) 福岡県生まれ。 先天性の全盲。 カナダ留学中、障害のある留学生としての自身の経験を通じて、障害のある移民・難民に対する支援に関心を持つようになる。 帰国後は、障害当事者団体に約9年間勤務し、当事者の視点を生かした活動に携わってきた。 2022年より当会に勤務。ラオス事業、国際理解教育、国内避難民支援業務等を担当している。 趣味は、読書、野球観戦、落語鑑賞など。       ・萩原 昌子 氏(九州大学大学院 博士後期課程) 生まれつきの高度感音性難聴、右耳は全聾・左耳110db補聴器使用。 NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワークのメンバーとしての「みんなで舞台を楽しもう」という活動を経て、音楽の鑑賞環境の現状に違和感を感じ、研究の道へ進む。九州大学大学院芸術工学府博士課程後期在学中。 ろう者、聴覚障害者の“おんがく”や音楽の鑑賞環境等について研究。 Sasa-Marie名でパフォーマーとしても活動しており、手話による詩の朗読をおこなうサイン・ポエット、手話をベースにした音楽表現を行うMUSICA アーティストとして公演・ワークショップ等を実施。 令和6年文化庁新進芸術家派遣制度により2ヶ月間カナダ・イギリスの現状をリサーチ。 デフリンピック2025東京アーティスティック・プログラム演出助手・制作・出演。東京芸術劇場TRAIN TRAIN TRAIN サイン・ミュージック、ドラマトゥルク。   【申込方法】 以下のサイト、またはFAXにてお申し込みください。 https://www.jsrpd.jp/cafe31/ 申込受付:2026年4月2日(木)15:00まで ※情報保障が必要な方は、3月26日(木)までにお申し込みください。 定員になり次第、締め切りとなりますので、ご了承ください。 お名前、ご所属、ご住所を明記の上、手話通訳、要約筆記、テキストデータなど必要があれば申し込み時にお知らせください。参加登録された方へZoomのURLをお送りいたします。   【お申し込み、お問い合わせ先】 《公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会 国際課》担当:村上・仁尾(にお) 〒162-0052東京都新宿区戸山1丁目22番1号 TEL: 03-5273-0601   FAX: 03-5273-1523  Eメール:kokusai@dinf.ne.jp 編集後記 去る2月4日〜6日にかけて、マレーシア・クアラルンプールにおいて、「マレーシア盲ろうプロジェクト2026」を行ってきました。 日本からは盲ろう当事者3名を含む、計12名のチームが参加し、日本の盲ろう福祉の状況や通訳・介助技術、聴覚障害のある通訳・介助員の重要性などを、3日間の日程を通して紹介してきました。 前日に現地入りする予定でしたが、直行便を出しているマレーシア航空が機材トラブルで飛ぶ便が無くなってしまい、シンガポールを経由する便を駆使してセミナー当日の朝に現地入りするという、冷や汗ものの展開となりましたが、なんとか無事に終えることができ、安堵しました。 同国には、約10年前にも訪問しましたが、盲ろう者団体の設立には至っておらず、今度こそは団体が設立されることを期待しています。 (小林 真悟/JANNET広報・啓発委員) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会  〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: https://jannet-hp.normanet.ne.jp/ 以上