JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第274号 8月号 2026年8月31日発行 ―目 次―  トピックス 〜第33回「リハ協カフェ」登壇報告〜 1. 「就労時介助」をめぐる研究と欧州障害学会参加報告 東京大学先端学際工学専攻 博士課程  ズン ジャフェイ インフォメーション 1.国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 2. グローバルフェスタJAPAN2026  ★JANNETの「ブース出展」が決まりました!★ 2026年10月17日(土)・18日(日) イベント情報 1.第34回「リハ協カフェ」 2026年9月30日(水) 2.第48回総合リハビリテーション研究大会 2026年11月14日(土)・15日(日) トピックス 〜第33回「リハ協カフェ」登壇報告〜 1.「就労時介助」をめぐる研究と欧州障害学会参加報告 東京大学先端学際工学専攻 博士課程  ズン ジャフェイ   ※去る2026年8月4日に開催した、(公財)日本障害者リハビリテーション協会主催『第33回「リハ協カフェ」』にてご登壇いただいた内容を、まとめていただきました。   私は東京大学大学院博士課程で、障害者が働く際に必要となる「就労時介助」について研究しています。今回のリハ協カフェでは、各国の制度を概観した文献調査と、2025年7月に参加した欧州障害研究学会(ALTER)について報告しました。   文献を比較すると、就労時介助の制度は大きく三つに整理できます。生活から就労まで同じ介助制度を利用する「生活・就労一体型」、生活上の介助と職場での支援を別制度で提供する「生活・就労分離型」、さらに就労中のケアと業務支援まで分かれる「二重分断型」です。 先行研究では、就労時介助が就職や雇用継続だけでなく、自己実現や社会参加にもつながることが示されています。英国のAccess to Workでは、公的支出に対する財政的な還元も報告されており、就労支援を社会への投資として捉える視点もあります。 複数の国の研究では、生活から就労まで切れ目なく支援できる一体型が、より望ましい仕組みとして評価されています。制度を切り替える必要が少なく、申請や制度間調整の負担を抑え、介助を継続して利用しやすいためです。反対に、制度が細かく分断されると、利用者自身が複数の制度や財源を組み合わせ、調整する必要があります。米国では、生活上の介助、就労中のケア、業務支援が別々の仕組みに分かれ、所得・資産要件や州ごとの差も重なるなど、制度の分断が利用の難しさにつながっています。 ただし、一体型であれば必ず制度が機能するわけではありません。利用条件や認定のあり方も重要です。同じ分離型でも、対象範囲の異なるノルウェーとデンマークでは利用者数に大きな差があります。また、ブルガリアのソフィア市の一体型制度でも、就学・就労の有無などによって評価が変わり、生活介助のみを必要とする人は優先度が低くなり、結果として待機リストの後方に回されることがあります。制度の形だけでなく、「誰が、どのような条件で利用できるのか」まで含めて考える必要があります。   後半ではALTERについて紹介しました。 ALTERは欧州の障害研究ネットワークとして始まりましたが、現在は参加者も研究テーマも欧州に限られません。2025年大会には27か国から200人を超える参加者が集まり、研究者だけでなく、障害当事者、活動家、実務者、学生など、多様な立場の人が参加していました。 形式も研究発表、ワークショップ、共同セッション、映画上映、監督との対話などさまざまです。発表後には各国の経験を持ち寄って議論する雰囲気があり、私の発表後にも日本の就労時介助制度について質問や意見をいただきました。 こうした交流を通して、日本の制度や実践も国際的な障害研究の中で共有できると感じました。 次回大会は2027年6月30日から7月2日まで、チェコのプルゼニで開催される予定です。なお、2025年の参加費は通常180ユーロ、学生等は100ユーロでした。       ******************************************************************************** インフォメーション 1.国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報    (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html)    署名国・地域数164/ 締約国・地域数 193 (2026年8月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en 2. グローバルフェスタJAPAN2026  ★JANNETの「ブース出展」が決まりました!★ 2026年10月17日(土)・18日(日) 「グローバルフェスタJAPAN」は、国際協力やSDGsに取り組む多様な団体が集う、国内最大級の国際協力イベントです。 今年で第35回目になる「グローバルフェスタJAPAN2026」では、屋内と屋外を会場とするリアル(対面形式)と、どこでもご視聴いただけるオンライン(配信形式)を両立した、ハイブリッド形式で開催します。 買い物をしたり、友達とおしゃべりをしたり、コーヒーを飲んだり。そんな日常を過ごす 私たちの暮らしは、世界とつながっています。あなたの選択と、ひとつひとつの国際協力が、私たちの未来を少しずつ創っています。 あなたも国際協力を通じて、一緒に未来をつくりませんか? ★今年もJANNETの「ブース出展(新宿住友ビル 三角広場)」が 決まりました!ぜひ皆様、ブースに遊びにいらしてくださいね!★ <開催概要> 日時:2026年10月17日(土) 10:00-17:00(予定)、  10月18日(日) 10:00-17:00(予定) 開催テーマ:「世界とつながる、わたしの暮らし。共に創る未来 」 実施形態:リアル(対面形式)とオンライン(配信形式)を両立したハイブリッド形式 場所:リアル会場:【屋内】新宿住友ビル 三角広場(〒163-0290 東京都新宿区西新宿2丁目6―1)  【屋外】新宿中央公園 ファンモアタイムひろば(〒160-0023 東京都新宿区西新宿2丁目11)  オンライン:特設サイト上にて配信予定。 WEBサイト:https://gfjapan2026.jp/ 入場料:無料 主催:グローバルフェスタJAPAN2026実行委員会 事務局:グローバルフェスタJAPAN2026実行委員会事務局 (株式会社日本旅行 公務法人営業部) 〒160-0017 東京都新宿区左門町16-1 四谷TNビル4階 Mail:globalfesta2026_info@nta.co.jp イベント情報 1.第34回「リハ協カフェ」 2026年9月30日(水) 日本障害者リハビリテーション協会の国際委員会では、国際協力分野において障害分野の課題に取り組んでいくため、情報発信を継続し、関係者への情報提供を行うべく、2020年8月よりリモートによる報告会「リハ協カフェ」を隔月で開催してまいりました。今回は第34回目の開催です。 第34回は、花房 謙一氏(目白大学 保健医療学部 作業療法学科 教授)より「海外在留邦人の老後意識と帰国願望 −ハワイ・ニュージーランドの在留邦人の比較から見えてくるもの−」について、また前原 和明氏(筑波大学 人間系 教授)より「日本の職業リハビリテーションの支援者の質の向上に向けた課題」についてご報告いただきます。 関係者以外にも広くご参加を募ります。皆様のご参加をお待ちしております。   ◆日時:2026年9月30日(水)13:30〜15:15 ◆会場:リモート開催(Zoom) ※要約筆記が入ります。 ◆主催:公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 ◆共催:障害分野NGO連絡会(JANNET) ◆参加費:無料 ◆定員:100名   プログラム(敬称略)*プログラムの内容に変更がある場合がございます。ご了承ください。 13:30-13:35 開会挨拶  吉田 正則(日本障害者リハビリテーション協会 常務理事)       13:35-14:15 報告1  「海外在留邦人の老後意識と帰国願望 −ハワイ・ニュージーランドの在留邦人の比較から見えてくるもの−」  発表者:花房 謙一 氏(目白大学 保健医療学部 作業療法学科 教授) 14:15-14:25 質疑応答 14:25-15:05 報告2  「日本の職業リハビリテーションの支援者の質の向上に向けた課題」 発表者:前原 和明 氏(筑波大学 人間系 教授)       15:05-15:15 質疑応答 15:15    閉会 【発表者プロフィール】 ・花房 謙一 氏(目白大学保健医療学部作業療法学科 教授) 【略歴】 神戸大学大学院保健学研究科博士後期課程修了。奈良県心身障害者リハビリテーションセンター、大阪大学医学部附属病院、地方独立行政法人市立吹田市民病院リハビリテーション科参事を経て現職。 急性期のリハビリテーション(作業療法)とセラピスト教育におけるクリニカル・クラークシップが専門で、入院中の過ごし方(時間の使い方)と疾病の回復に関する研究およびセラピスト教育がライフワークであるが、ハワイの知人からの相談を機に在留邦人の老後について関心を持ち、支援に関する研究を進めている。 【著書】 ・PT・OT・STクリニカル・クラークシップ かんたんな解説とQ&Aでお悩み解決! きっとうまくいく診療参加型臨床実習 (共著).南江堂.2023 ・15レクチャーシリーズ 理学療法・作業療法テキスト ADL・実習 75-84頁(共著).中山書店.2021. ・改訂第2版 OT臨地実習ルートマップ 249-257頁 (共著) .メジカルビュー社.2019. 【論文・学会発表】 ・花房謙一,會田玉美:市中肺炎患者に対する作業療法の具体的な取り組み〜インタビュー調査による質的研究〜 目白大学健康科学研究第18号,43-51.2025 ・Kenichi Hanafusa, Tamami Aida : About the desire of Japanese residents living in Hawaii to return to Japan and their attitudes toward of old age. The 8th Asia Pacific Occupational Therapy Congress 2024 ・前原 和明 氏(筑波大学人間系 教授) 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業カウンセラー及び上席研究員として勤務。その後、秋田大学教育文化学部 教授を経て、現職。 専門は、職業リハビリテーション及び特別支援教育。 日本職業リハビリテーション学会副会長、日本リハビリテーション連携科学学会常任理事など、職業リハビリテーションの分野での研究活動に取組んでいます。 趣味は読書(推理小説)、旅行です。 【申込方法】 以下のサイト、またはFAXにてお申し込みください。  https://www.jsrpd.jp/cafe34/  申込受付:2026年9月29日(火)15:00まで ※情報保障が必要な方は、9月17日(木)までにお申し込みください。 定員になり次第、締め切りとなりますので、ご了承ください。 お名前、ご所属、ご住所を明記の上、手話通訳、要約筆記、テキストデータ(スクリーンリーダー用)など必要があれば、申し込み時にお知らせください。  参加登録された方へZoomのURLをお送りいたします。   【お申し込み、お問い合わせ先】  《公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会 国際課》担当:村上・仁尾(にお)  〒162-0052東京都新宿区戸山1丁目22番1号  TEL: 03-5273-0601   FAX: 03-5273-1523  Eメール:kokusai@dinf.ne.jp 2.第48回「総合リハビリテーション研究大会」  アクセシビリティの現状と課題、今後の方向性を考える〜能登半島地震を踏まえて石川の地から全国へ 2026年11月14日(土)・15日(日)  本大会では、移動・交通・建築・情報・コミュニケーション・教育・労働及び雇用・文化芸術など多様な領域にわたる「アクセシビリティ」(誰もが参加・利用できること)を取り上げます。アクセシビリティの概念は、国連障害者の権利条約第9条等にも明記されている重要な概念です。本大会では、国内外の情報に加え、石川県における障害団体や事業団体の取り組み、能登半島震災に関する情報を共有し、国際・全国・地方の視点から議論を深めます。本大会を契機に、アクセシビリティの実践的課題と今後の方向性を検討し、誰も取り残されない社会の形成を展望します。   【第48回「総合リハビリテーション研究大会」】  アクセシビリティの現状と課題、今後の方向性を考える  〜能登半島地震を踏まえて石川の力全国へ ホームページURL  https://rehab-hp.normanet.ne.jp/2026/ ◆日時:2026年11月14日(土) 10:00-16:30  11月15日(日) 10:00-16:00 ◆会場:石川県立音楽堂 交流ホール(地下1階) (石川県金沢市昭和町20-1)  ○最寄り駅:JR金沢駅  会場地図URL: https://ongakudo.jp/access/by-train/ ◆参加費:一般3,000 円、学生1,000 円(介助者等の参加費は無料)  ※手話通訳、要約筆記、点字資料、テキストデータ(視覚障害・読字障害等のある方)あり        ◆主催:公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 ◆後援(一部依頼中・順不同) 内閣府、厚生労働省、文部科学省、国土交通省、経済産業省、(福)全国社会福祉協議会、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構、日本障害フォーラム、 (公社)日本リハビリテーション医学会、(公社)日本理学療法士協会、 (一社)日本作業療法士協会、(一社)日本言語聴覚士協会、全日本特別支援教育研究連盟、(公社)日本社会福祉士会、(公社)日本精神保健福祉士協会、(公社)日本介護福祉士会、(公社)日本義肢装具士協会、日本職業リハビリテーション学会、石川県、金沢市、 金沢工業大学、金城大学、公立小松大学 ◆生涯学習:日本作業療法士協会生涯教育制度基礎研修ポイント、  日本言語聴覚士協会生涯学習ポイント 《大会プログラム》(順不同・敬称略)*プログラムは予告なく変更することがあります。 □11月14日(土)  受付開始 9:30 総合司会: 岸谷 都(石川県リハビリテーションセンター)  松田茂喜(金沢「当事者研究」研究会 世話人)        10:00〜10:15 開会挨拶  炭谷 茂  (公財)日本障害者リハビリテーション協会会長    10:15〜12:05 セッション1:基調講演および報告(世界の障害者)  基調講演:土橋喜人(大会実行委員長、金沢工業大学 教授) 「多様なアクセシビリティ」(仮題)   報告者:佐野竜平(法政大学現代福祉学部 教授) 「世界の障害分野―アジアの状況」(仮題)   勝井久代(ヘルシンキ大学 障害学教授) 「世界の障害分野―欧州の状況」(仮題)(録画)   藤井克徳((特非)日本障害者協議会 代表) 「日本の障害分野―関連動向の押さえどころ」(仮題) 12:05〜13:05 昼休み 13:05〜14:05 セッション2:アクセシビリティの現状と展望  コーディネーター:土橋喜人  パネルディスカッション:藤井克徳、佐野竜平、勝井久代(リモート) 14:05〜14:20 休憩 14:20〜16:30 セッション3:情報・コミュニケーションに関するアクセシビリティ  コーディネーター:高岡 徹(横浜市総合リハビリテーションセンター 医師)  発言者:金沢一恵((公社)石川県言語聴覚士会 コミュニケーション支援WG 理事)  米島芳文((福)石川県視覚障害者協会 理事長)  長原美穂(石川県リハビリテーションセンター 作業療法士)  岩佐光章(横浜市総合リハビリテーションセンター 発達支援部 医師) 16:30 1日目終了 □11月15日(日)  受付開始 9:30 総合司会: 高岡 徹(横浜市総合リハビリテーションセンター)  中子富貴子(公立小松大学) 10:00〜12:00 セッション4:移動に関するアクセシビリティ  コーディネーター:岸谷 都(石川県リハビリテーションセンター 医師)  中子富貴子(公立小松大学 教授)  発言者:川内美彦(東洋大学人間科学総合研究所 客員研究員)      荒井利春(Arai UD Workshop 代表、金沢美術工芸大学 名誉教授)      林由美子(「あうわ」視覚障害者の働くを考える会 代表、金沢星稜大学 非常勤講師)      坂井さゆり((特非)石川バリアフリーツアーセンター 理事長)      寺田佳世(石川県リハビリテーションセンター 作業療法士) 12:00〜13:00 昼休み 13:00〜15:25 セッション5:能登半島震災から見えてきたもの ーアクセシビリティを中心とした現状とこれから  コーディネーター:栗原 久((一財)フィールド・サポートem. 代表理事、日本福祉大学 実務家教員)  沼澤千加((特非)地域支援センターポレポレ 理事長)  発言者:大野健志(日本障害フォーラム(JDF)元能登半島地震支援センター スタッフマネージャー)  八幡隆司((特非)ゆめ風基金 事務局長)  吉岡真人((福)石川県聴覚障害者協会 事務局長)  本田雄志(きょうされん石川支部 副支部長、(福)野の花福祉会 理事長・施設長)  畑 泰子(ピアサポートのと ピアサポーター) (14:25〜14:35:休憩) 14:35〜15:25 ディスカッション 15:25〜16:00 閉会  総括:藤井克徳(総合リハビリテーション研究大会 常任委員会副委員長)  伊藤利之(総合リハビリテーション研究大会 常任委員会委員長)  閉会挨拶:吉田正則((公財)日本障害者リハビリテーション協会 常務理事) ◆お申し込み 申し込み方法などについては、以下のURLからご覧ください。  https://rehab-hp.normanet.ne.jp/2026/48moushikomi.html   ◆申し込み先・問い合わせ先 「第48回総合リハビリテーション研究大会」事務局  〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 (公財)日本障害者リハビリテーション協会内  TEL:03-5273-0601 FAX:03-5292-7630  E-mail:rehab@dinf.ne.jp 編集後記 JANNETメルマガ8月号を最後までお読みいただき、ありがとうございました。 熊本地震並びに千葉での豪雨で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。 復興、被災者支援にご尽力いただきます方々に、感謝申し上げます。 障害が各自の心身の状況と社会との相互作用によって立ち現れるものとするならば、 被災直後の困難な状況において、様々な障害特性のある方々が平時よりも厳しい状況 に直面していることが危惧されます。 一日も早く日常が取り戻せますことを、心より祈念いたします。 アクセシビリティをテーマとする第48回総合リハビリテーション研究大会では、2日 目午後のプログラムとして、能登地震での経験を踏まえたセッションが開催される予 定です。貴重な経験が未来につながる、実りある意見交換となることを期待させてい ただいております。是非奮ってご参加くださいませ。 (伊藤 丈人/JANNET広報・啓発委員) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会   〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内  【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630  URL: https://jannet-hp.normanet.ne.jp/ 以上